フランス渡航後の手続き|フランス移民局(OFII)について|語学力チェック
皆さんこんにちは、フランスに移住してきました、すみです。
長期ビザでフランスに来た方は、フランスに入国後、必ず行わなくてはいけない「フランス移民局(OFII)」への登録。
フランスへ入国したことをオンラインで申告するのですが、OFIIの建物へ指定された日時に出向かないといけません。(各地域にオフィスがあります)
今回は、そもそもOFIIって何なのか?当日は何をするのか?についてご紹介します。
▼目次▼
フランス移民局OFIIについて
OFIIは「Office Français de l'Immigration et de l'Intégration 」の略です。2009年に設立された、外国人や移民の受け入れのための旧国家機関(ANAEM)です。
人によって、フランスに移住する理由はさまざま。移民を積極的に受け入れてきたフランスですが、ただ全世界の人々を歓迎していても、フランスの秩序が乱れてしまいます。なので、移民に対し、フランス人と統合させるため、フランス社会のルール、言語などを教え、無職の人には職探しなどのサポートをしています。
OFIIの使命は移民の社会的結束と機会均等庁(ACSE)です。
フランス滞在の最初の5年間はOFIIがこれらをサポートしています。
OFII初日にすること
語学力チェック
当日、OFIIに訪問すると、まずはOFIIが提供しているフランス語学力テストを行います。A1レベル以上ある人は、証明書を持参してスタッフの人に当日見せると、この語学力テストはスキップできます。
20分程度の簡単なテストです。ライティングとスピーキングもあります。
個別面談
現状の把握・情報提供
名前、住所、今何をしているか、健康に問題はあるか、健康保険はあるか、運転しているか、などの移住者の基本情報と現状を聞かれ、OFIIのスタッフはパソコンに情報を入力していました。OFIIのスタッフは移民者の現状を把握する義務があります。
移住者に必要な情報やサイトを教えてくれ、印刷してくれます。
CIRへの署名、必要な講習への案内
そして、最後に共和党統合契約(CIR)という契約に署名します。
これは、フランス国家が定めているもので、「フランスに滞在するなら、フランス社会の価値観やルールをしっかり学んで尊重してくださいね、一定レベルの語学力を身につけてくださいね」という契約です。
そして、OFIIで参加してくださいと言われた講習には必ず参加しなくてはいけません。
初日の訪問で、OFIIが次のステップとして案内してくれるものは以下の通りです。
- 4日間の市民講習 合計24時間 ※全員必須
- フランス語講習 ※レベルA1に満たない人のみ
- CIR契約終了の面接 ※全て終了した時
市民講習について
市民講習は、CIRに署名した全ての人への必須講習です。
フランスの原則と価値観、そして実際にフランス社会がどのように機能しているか知るためのものです。
以下のことを合計24時間分、4日間に分けて学びます。
- 健康
- 仕事
- ハウジング
- 親と幼児期のサポートサービス、育児の種類、学校、教育カウンセリング、子供の権利
語学講習について
フランス語を学ぶことは、フランスに溶け込むための必須条件です。
OFIIへの訪問で、言語レベルがヨーロッパ言語共通参照枠(CEFRL)のレベルA1を下回っている場合は、フランス語講習を受ける必要があります。
語学講習の様子は?何で無料?どんな仕組み?→こちら
レベルA1とは?
A1は、言語の「発見」レベルです。
- 自己紹介ができる
- 質問したり答えたりできる
- 対話者がゆっくり、はっきりと話せば、簡単な方法でコミュニケーションが取れる
- フランクな日常表現を理解していて使用できる
上記のレベルに達していない人は、OFIIへ訪問中の語学力テストの結果と本人の希望に応じて、次の4つのフランス語講習のいずれかを行うことができます。
- 100時間
- 200時間
- 400時間
- 600時間
OFIIの人に講習に参加するよう言われたら、講習へ参加するのは必須です。 ですがフランス語講習センターで、A1レベルに到達すれば、与えられた時間に満たなくてもトレーニングは終了します。
A1レベルの認定証をくれる!
自分でフランス語検定やDELFを勉強し試験を受けるときは、自分で受講料を支払いますが、OFIIが紹介してくれるフランス語講習が受けられる場所では、A1レベルに達するまで勉強をサポートするだけでなく、試験も受けさせてくれ、認定証もそこで発行してくれます。
試験料は全て国がまかなっているので、私たちは無料です!
A1レベル到達後も継続して講習を受けられる!
A1レベルに到達し、必須の講習を全て終えても、CIR(またはCAI)に署名すれば、フランス語をもっと上達させるために、継続して講習を受けることも可能です。
- A2レベルに到達するための100時間のプログラム
A2レベルはフランス在留カード取得に必要なレベルです。 A1レベルを達成した者が受けられます - スピーキングでB1レベルに到達するための50時間のプログラム
これはフランス国籍を取得するために必要なレベルです。 A2レベルを達成した者が受けられます
全て終了したら
全ての講習終了から3か月後、OFIIからその後の様子をチェックするための面接があります。
そこでOFIIのスタッフの人が、その後の案内や、ローカルサービスに関する最新ニュースをまた提供してくれます。
基本的なフランス社会に対する知識や語学力が得られたので、仕事を探している方には失業者のための職探しのサービス(pole-emploi)を紹介してくれます。(日本でいうハローワーク)
2年目以降の滞在許可証がゲットできる!
長期ビザでフランスに渡航しても、フランスに滞在できるのは1年間です。
OFIIで指定のプログラムを終え、フランス社会や国の本質的な価値を尊重しているとみなされると、2年目以降の滞在許可証を更新することができます。
これは4年間有効です。
また、フランス語のCECRLのA2レベルに達していれば在留カードの発行もできるようになります。
(在留カードはなくても、フランス人と同じ社会保障やサービスが受けられるので安心してください)
その後、もしフランス人になりたいという人は国籍を変える手続きもできます。