外国人はどのように日本に長期滞在するのか【観光ビザ・ワーキングホリデー・就労ビザ】
こんにちは。フランス人と国際結婚しました、すみです。
私は結婚前に、日本で彼と同棲していました。
今回は、外国人が日本に来るためのビザについて簡単に解説いたします。
▼目次▼
- ビザの基礎知識
- 日本で働きながら、1年以上日本に長期間滞在したい
- 2019年12月からビザの制度が変わった!
- 外国人が就労しながら、1年以上日本に長期間滞在するための流れ
- COEを日本で準備してから自国に帰ろう
- まとめ
ビザの基礎知識
初めに、ビザのについての簡単な基礎知識です。
「ビザ」と言いますが、様々な種類があり、ビザの種類によって滞在期間や日本でできることが変わってきます。
観光ビザ(正式名:短期滞在ビザ)
期間:90日、30日、15日以内の3種類
目的:観光
・報酬を得る就労活動はできない
・パスポート、旅費、航空券があれば簡単に発行される
ワーキングホリデー(正式名:特定活動ビザ)
期間:1年間
目的:観光だけでなく、海外生活(学ぶ、働く、暮らす)を体験する
・あくまで観光が目的。1年間滞在する為に必要なお金を得ることを許可しているだけなので、就労や就学を第一目的とする渡航は禁じられている
期間:最長5年
目的:外国人が在留して就労などの活動をする
・その人の学歴や職歴、技術などから日本にとって必要な人だと判断された場合に、在留して活動してもいいという資格が与えられる(在留資格一覧表)
日本で働きながら、1年以上日本に長期間滞在したい
この場合、一番の理想は、
という流れですが、まず『自国から日本での仕事を見つける』ことが外国人にとって困難です。
なぜ自国から日本での仕事を見つけることが困難なのか?
それは、日本にまだ渡航していない外国人を採用し、就労ビザを出すことが、会社にとって非常に面倒臭い上に、リスクがあるからです。
小さな会社は多くの場合、ビザの手続きを弁護士や専門家に依頼します。
たくさんの書類を提出し、手間もお金もかけても、本当に外国人が日本に渡航してその会社で働くのか100%の保証はありません。
日本でちゃんと外国人が働き出したとしても、外国から日本にわざわざ招くほどの有能な人材ではないかもしれません。それどころか、違う言葉や文化、働き方についていけずに、足手まといになるかもしれません。
なので、会社は外国にいる外国人よりも、日本にいる外国人を採用するのです。
では、外国人はどうやって長期滞在しているのか?
多くの外国人は、来日前に日本での仕事を探すことが困難なため、観光ビザやワーキングホリデーなど(3ヶ月〜1年)で来日し、その間に仕事を探します。
そして、ビザが切れる前に就労ビザに変更し、そのまま日本に長期滞在するのです。
会社側にとって負担がない
「日本にすでに来日している」というだけで仕事の選択肢はかなり広がります。
会社側は面倒でお金のかかるビザの手続きをする必要はないし、たとえ会社に合う人材ではなかったとしても最長でも1年で自国に帰るので、会社側はリスクをとらずに外国人を雇うことができます。
対面で合ってみて信頼できるとわかる人、または普段の働きの中で継続して働いて欲しい、と思える人に就労ビザを出すことができます。
2019年12月からビザの制度が変わった!
ここまでは、つい最近の話でした。
が、しかし!
2019年12月から日本のビザの制度が厳格になったのです。
冒頭で記したように、原則的に「観光ビザ(短期滞在ビザ)」と「ワーキングホリデー」は就労するためのビザではありません。
しかし、多くの外国人が長期滞在のビザを獲得するためのステップとして「観光ビザ」や「ワーキングホリデー」を利用するため、日本国内にいながら、観光ビザ、またはワーキングホリデーから長期滞在ビザへの変更ができなくなりました。
参考記事:GaijinPot Blog:Japanese Immigration Has Begun Enforcing Stricter Visa Requirements for Foreigners
どういうこと?
基本的には「ビザの期間が終了したら帰国する」というのがルールです。
なので、現在のビザから他のビザへ申請する場合、一度自分の国へ戻り、自国の領事館でビザの処理を行う必要があります。(変更例:就労ビザ、学生ビザ、老親扶養ビザなど)
※以前は、日本とワーキングホリデーの協定が結ばれている26カ国は、自国に帰らなくても、日本国内でビザの変更手続きができ、そのまま長期滞在することができました。
なぜかこの情報はあまり公になっていません。
なので、日本でビザ変更の手続きをしようとした外国人が窓口で追い返されてしまい、なんの準備もなしに急遽自国に帰らなくてはいけないということがありました。
観光ビザやワーキングホリデーからビザの変更をしようとしている外国人は、是非注意してください。
外国人が就労しながら、1年以上日本に長期間滞在するための流れ
ビザ制度の厳格化に伴い、外国人が日本に長期滞在するため可能な流れとしては、
かと思われます。
※もちろん自国で仕事が見つかり、初めから就労ビザで来日できれば、それが一番です。
COEを日本で準備してから自国に帰ろう
自国でのビザの手続きってどれくらいかかる?
自国に行くのはいいけど、日本に戻ってこれるのはいつ?
自国に一度帰らなくてはいけないとなると、このような疑問があるかと思います。
ビザ申請をして最短でビザを取得するには『COE(Certificate of Eligibility:在留資格認定証明書)』の手続きを済ませておく必要があります。
全てのビザ申請には、COEという書類が必要になります。
これは、手続きが完了するまでに1〜3ヶ月かかります。
例えば就労ビザへ変更する場合、就労ビザ申請に必要なその他多くの書類は、会社側が用意してくれるので心配いりません。
しかし会社によっては、COEの手続きだけは自分でしなくてはいけないこともあるので、会社がCOEの手続きをしてくれない場合は、現在のビザが切れる前に、日本でCOEの準備をしておくのを忘れないようにしましょう。
COEの手続きを日本で済ましておけば、自国の領事館でCOEを含むビザ変更に必要な全ての書類を提出し、申請内容に問題がなければ、申請受理の翌日から5日でビザが発給されます。※国によってビザ取得までの日数は異なります。ビザ取得までの必要日数(外務省)
COEを日本で事前に用意していないと、自国の領事館でビザを申請後、ビザの発給までに長期間(最低でも1〜3ヶ月)を要し、その間自国で待っていなければいけません。
まとめ
外国人が日本への長期滞在を望む場合のパターンや注意点のまとめです。
- 就労ビザで来日
- 仕事が見つからなければ、観光ビザやワーキングホリデーなどのビザで来日し、日本に来てから仕事を探す
- 仕事が見つかったら、一度自国に帰り、就労ビザを取得する(約5日でビザ発給)
- 自国に帰る前に、COEを日本で準備しておく(準備がなければ最低でもビザの取得に1〜3ヶ月かかる)
もちろん外国人向けのサイトや、英語のサイトの方が、ビザに関する多くの情報が詳しく載っています。
ですが、外国人のパートナーや、友人が日本への来日に苦戦しているようでしたら、「こういう方法でビザを取得したんだって!」と教えてあげてください(^ ^)
参考になれば嬉しいです(^ ^)
執筆: 2020年5月6日